キュルノンチュエ*白かびサラミ
岐阜県高山市清見町牧ヶ洞 R158のJAひだ倉庫を北へ入る
営業時間/10時〜18時 定休日/火曜日
ほのかな苦みと熟成の旨味が調和する

 小鳥峠を高山方面へ降りてくると、豚の絵が描かれた小さな看板が道ばたに見える。そこを北に折れるとキュルノンチュエ。ここは手作りのハム・ソーセージの店である。
 なんでもフランス山あいの街で修行した主が、ハム・ソーセージ作りに適した土地を探し歩き、清見にたどり着いたのだとか。小さな工房兼店舗ではあるが、ここで製品作りも行われている。運が良ければ厨房や薫製室の中だって見せてもらえるのだ。どう?そそられるでしょ。

 使われる素材は鹿児島の黒豚、ゲランド(世界屈指の天然塩ブランド)や瀬戸内の天然塩。・・・能書きを書けばきりがないので、詳しくはお店でパンフレットや情報誌をもらってほしい。とにかく良い素材を使っているのは間違いない。
 そして味は・・・旨い!燻煙の香りがたまらない。スパイスの配合がピリリと新鮮。肉は赤身も脂身もしっかり味が乗っている。塩加減も肉の味をよく引き出している(いわゆる減塩では、肉の旨さなんか出やしない)。そこらのスーパーや肉屋で買う寝ぼけた味のハムやソーセージとは、まったくの別物である。これが『本場仕込み』ということなのだろう。
 ただし、製品によっては好き嫌いが分かれるかもしれない。あまり日本人に迎合していない味付けのものが多く、味や香りが強すぎると感じる人もいるようだ。

 さて、数ある商品の中で、私のイチオシが「白かびサラミ」だ。「ソオスィソン・セック・フルール・ブランシュ」とかいうのが正式名らしいが、店では「白かび」だけで通じる。こいつはカマンベールチーズの表面を覆っているのと同じ菌を、ペッパーサラミの表面に植えつけて1〜2か月ほど熟成させたものだ。
 皮の部分は白かびのかすかな苦味と香りを感じる。肉の部分はおどろくほどマイルドで『こなれた』風味に仕上がっている。このコントランストが絶妙。渋めの赤ワインやスコッチとの相性は抜群だ。初体験の時は感動で言葉を失い、まるまる1本むさぼり食べたものだ・・・。
 しかも小ぶりなものなら1本1000円ちょっと。安くはないが、躊躇するほど高いわけでもない。地価の安い清見だからこそできる良心的価格だと思う。
 ただし仕込みが月に1回程度。人気商品ゆえ売切御免となる場合もある。好きな人は熟成中の品に自分の名札を吊して予約しているくらいだ。

 他には店の看板メニューであるベーコン(生食がまた旨い)、熟成が絶妙の生ハム、臭みなどみじんもないレバーパテ、変わったところで奥美濃古地鶏薫製なども、我々の間では人気である。3000円もあれば、あれこれと土産に揃えることができよう。ちなみに製品はほとんどが量り売り。

 なんでもごく一部の高級食材店や百貨店では、最近ここの製品を扱うようになったとか。それはそれでめでたいのだが、ぜひ一度は工房を訪れてみてほしい。その雰囲気、商品を説明するスタッフの口ぶりに、旨いものを作っているのだという情熱や自信がひしと伝わってくるから。そこに共感を覚えれば、キュルノンチュエのハム・ソーセージはいっそう旨いものになるだろう。

フランスの片田舎度 ★★★★★
肉好き度 ★★★★
けっこうお得度 ★★★

2004/05/06 佐藤ノブヲ


山小屋風の店舗。JA倉庫西の小道を北へ入ればすぐに見えてくる。2007年9月、店舗が増築されたが、その写真はまたいずれ。


店内には熟成中の製品がずらり。これだけで生ツバもの。上の方の白いのが「白かびサラミ」。一部の製品は試食もさせてもらえる。

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